とうとう歌舞伎座が取り壊されてしまいます。写真はその最後の一日を撮影したもので、閉場式が行なわれていました。
歌舞伎座と私共のオフィスはワンブロックしか離れていません。何度か観劇もし、それなりに愛着のある劇場で、銀座が誇る伝統芸能のメッカなのですが、私はそれほど哀惜の念には打たれません。
もともと建物自体がコンクリートで、歌舞伎発祥当時の小屋掛け、あるいは木造のやさしさやら荒々しさやら危うさが完全に感じられません。
また、発祥当時にはあったであろうといわれている、民衆の負のエネルギーのるつぼと化した悪場所で、傾(かぶ)く者たちの解き放たれたおどろおどろしくも危険で猥雑な演技が、存在感のある役者達によって演じられていたそうです。
しかし、今の歌舞伎にそれはまったくありません。少なくとも私にはそう思えます。清潔感あふれる役者が、清潔感あふれる場所で、存在感のない身体を舞台にさらす。それをまた、明日の生活に杞憂をいだかない善男善女が取り巻きとなって応援する。
確かに伝統芸能なのでしょうが、「伝統」という国からのお墨付きをもらった反面、失ったものはあまりにも大きすぎるのだと思います。
投稿者: ビービーコム 日時: 2010年5月 7日 15:13 | パーマリンク




コメント (1)
五反田のかつらウィッグサロンのコマチヤと申します。
以前から、時々御社のサイトを拝見し、勉強させていただいております。
私どもが大好きであった歌舞伎座の記事でしたので投稿させていただきました。
それぞれの考え方に、とても興味深く思いました。
それでは。
投稿者: かつら専門サロン・コマチヤ | 2010年5月27日 10:37
日時: 2010年5月27日 10:37